「青夜調」 宣伝

ミツワ文庫の広告に「青夜調」のことが書かれていました。
SKDでは、桃色争議の後「アベック・モア」を大宣伝してましたが、OSKはそれほどでもないなあと思っていたところ、やっぱり宣伝はしてました。

ここで、「青夜調」の舞台の様子がうかがえる部分だけ引用します。
(大阪朝日新聞 昭和8年8月20日)


新秋第一陣を誇る
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 大阪歌舞伎座に於いて待望の名映画と大レビューを公開
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 暑い暑いという中にも、新秋の涼気がほのかに感じられる頃となりました。やがて九月の声を聞けば、興行界も賑やかになることでしょうが、その新しいシーズンの第一陣として非常に期待されておりますのは九月一日より公開される大阪歌舞伎座の映画と大レビューの上演でしょう。

 映画の方は、問題の大作として世界の視聴を詰めている怪獣映画「キングコング」が封切上映されます。
グロとナンセンスの交錯の中(うち)に、現代文明に対する皮肉な批判を示した待望の名編、皆様にもお待ちかねのことと存じます。
それから、この大映画と並んで公開されるレビュウは、松竹楽劇部全員が総出演して近代美の粋(すい)を発揮する『青夜調』七景であります。
これはきわめて新しい試みのシックなレビュウでまず荘重な大音楽のメロディが最高潮に達した時、静かに幕が上がって、第一景『大空に唄う』の場面が開かれます。
黎明から落日までをシンボライズした三段の舞台で、太鼓の音をフイルムに録音し、それをトオキイ再生機に依って拡大した音楽を音楽を用いポオズも鮮やかな踊り子たちが洗練された妙手を見せます。
第二景は趣の違った『夜の怪奇』、暗黒と怪奇を強調した黒の背景(バック)に、吉田晃兄弟の神秘的なアクロバット・ダンス、続いてグロテスクな面を被った二十余人の踊りです。
その次の第三景は、日本娘が手振り身振りも華やかに、踊りと唄とマッチした日本趣味豊かな場面を見せる『七色音頭』で、第四景『銀(しろがね)の連隊』の軽快な近代的感触と面白い対照(コントラスト)を見せます。
さて第五景『アラ・ジャポネエズ』、この場面(シーン)では宮城道雄氏の琴三部奏『さくら変奏曲』をトオキイ再生機にかけて拡大せしめ、その悲しげな、切々たる哀音が純日本舞踊の抒情詩に繊細なリズムを与えるのです。
舞台は全く優雅なアトモスフェアに包まれます。
それから第六景は最も魅惑的な場面『青夜調』であります。
まず音楽アンダンテでトゥの名舞踊手が冴えた演技(テクニック)を見せ、次いで白馬のソロダンサアがワルツ調の新舞踊から、ダンシングチーム得意の朗らかなジャズダンスなど、緩急自在のテンポの中に明快清麗な一場が展開されて行きます。
そして、この場が終わるといよいよ最後の第七景『フィナーレ』に移るのです。始め三十五人の踊り子たちをバックに、若山千代がスタイルもやさしく得意の唄。
その若山の唄が終わりに近づくころ、花に誘われた蝶のように、唄に魅せられたタップダンスの踊り子十八人が三十三年新流行のタップを踏みます。
それに和して全員の合唱となり、ジャズダンス、トロット調ダンス、アクロバットダンスなどの豪華なカクテル、雄渾な音楽に乗ってこの素晴らしいフィナーレの幕が閉じられるというのです。
流石は秋に魁けて全大阪のレビュウファンにその真価を問わんとするだけあって、実に近代的な、壮麗な大レビュウだということが、これだけでもご想像できるでしょう。
しかもそれが「キングコング」と共に東洋一の大阪歌舞伎座に公開されるのですから、ファンの方々としてはお見逃しになれないものでしょう。

以下略(このあと、白粉の宣伝)



「キングコング」と併演だったんですね。
今は、こんなことありえませんからねー。
「キングコング」ですよ。
あー、時代を感じます。
今は、映画は映画、レビューはレビューって別れてますからね。
キングコング目当てのお客さんも取り込めるという可能性もあったのでしょうか。
それとも、添え物だったのでしょうか。いや、しかし、ファンはいたんでしょうから、レビュー目当ての人もいたでしょうし。

「トオキィ」というか、録音拡大について、これが売り物になった時代だったんですね。
録音より、生のほうが今は価値があるから、これにつられる人がいたんですね。

このときは「若山千代」という人の名前しかでてきません。
スタア制度は確立されていなかったのでしょうか。

そして、「吉田晃兄弟」とは何者でしょうか。
男性?
楽劇部時代だから、少女オンリーではなかった?
それともゲスト?

この当時もまだ、「松竹楽劇部」の呼称のようです。



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この記事へのコメント

雪乃
2008年02月04日 22:48
わあ!貴重な資料をありがとうございます。松竹座のプログラムか何かで紹介されている楽劇部時代の写真に「青夜調」というタイトルを見つけたときに、すごくお洒落だなーと思って、どんな作品だったのかとても興味があったんです。思ったとおり、モダンで芸術的な作品だったんですね!ああー叶うことなら見てみたいです!!
seiya
2008年02月04日 23:36
雪乃さん、こんばんは!
「青夜調」というタイトルいいですよね。大宣伝してたらしいのですが、興行的にはあまりいい成績ではなかったようです。この次の年の8月作品から、大劇公演になり、快進撃を続けるみたいです。
でも、こういう過去の作品を見られる、タイムマシーンが、あったらいいのにねえ。

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