執事グローブの日記

執事グローブは日記を付けるのが趣味。バロン様の日常をかいま見られる。
(グローブさんが結婚してないなんて知らずに(「桜タイムズ」)、8月頃書いた物です。
無幾庵さんに触発されて載せてみることにしました。)


○月○日(晴れ)

本日、バロン様とマーガレット様の婚約めでたく整う。

旦那様、奥様も大変な喜びよう。

明日から、式に向けてまた忙しくなることだろう。

それにしても、バロン様の凛々しいお姿。
マーガレット様のお可愛らしいこと、
胸にしみる。

○月×日(晴れのち曇り)

マーガレット様の侍女イライザからの注文の多いことに辟易する。

女性の支度に必要なものは、私にはわからないが、

領内一番の仕立屋に、

絹の織物をバロン様が贈ってもまだ、足りないとのこと。

うーむ、バロン様に何と言おうか。

○月××日(曇り)

リボンの歌に思わず驚く。

今日は、バロン様とマーガレット様がお庭を散歩されていた時に、

侍女のリボンがまた、こけてしまった。

マーガレット様は、リボンにここで、歌を歌うようにお命じになった。

おお、驚いた、
なんてことない童歌が、リボンの口から歌われると、
名曲に聞こえる。

結婚式の余興には是非、リボンにも歌わせよう。

×月○日(雨)

バロン様の式服の仮縫いに仕立て屋が来る。
なかなかよい出来映え。

イライザ、マーガレット様の故郷の方々への手紙を依頼。
式のため、最高級のお茶を用意。

明後日にはマーガレット様のご親戚も到着の予定。
レモンの購入、忘れないこと。

×月○○日(晴れ)

結婚のお祝いにと、続々と贈り物が届く。
お礼状をしたためる。
バロン様のサインをいただく。
執務も順調。喜ばしい限り。

教会からお城までの道をもう一度点検。
馬車の確認も。
白馬6頭についても、馬丁から報告を聞く。

さあ、いよいよ明日は、結婚式だ。

×月×日(晴天!)

心配された天気もまったく問題なく、
雲一つない晴天の下、
バロン様とマーガレット様の結婚式がつつがなく挙行された。

旦那様も、奥様も本当にお幸せそうで、
マーガレット様のご両親も、感激に耐え得ないご様子であった。

お城までのパレードもほんとに領民皆が祝福してくれて、
ただ、馬車に乗ろうとしたとき、蛙がいたことが、、、。
それでも、バロン様はマーガレット様の為に辛抱されて、あわてずに
この私をそばに呼んでくださった。

とにかく無事に済んでホッとした。
ああ、晩餐会の素晴らしかったこと!

色とりどりの豪華な衣装に身を包んだご婦人達。
中でも一際マーガレット様は色白く、花のようなほほえみを浮かべ、
立ち居振る舞いにはもう、レディーとしての威厳も備わっていて。
そしてエスコートするバロン様の申し分のないことといったら!

ああ、そうだ、宮廷画家を呼んで、お二人が並んだ肖像画を描かせなくては。

それはそうと、リボンに歌わせたのは大正解だったな。
楽士は頼んだが、歌手を呼ばないのはなぜだとイライザがしつこく聞いたが、黙って
置いて意地が悪かったか?
でも、本当にビックリした顔のイライザときたら。
ああ、ああいう顔も、画家に描かせたいものだ。

いやいや、イライザは良くやった。
慣れない宮廷で、使いづらい侍女達を皆マーガレット様の味方にしてしまったのだか
ら、やはり、やり手なのだろう。

最後の曲に躍られたお二人のダンスの見事なことはこの先何年も語り継がれるだろ
う。

さあ、明日もまた早い。
これで、休もう。

××月×日(晴れのち曇り)

新婚のご夫婦というのは、本当にほほえましい。
私にあんな頃があったのは、、、。
いや、そんなことはどうでもいい。
バロン様は最近ますます、お仕事に精を出されるようになって、
頼もしい限りだ。
「私は私の領地をまだ、ほとんど見聞したことがない。領民に不都合なことはないか
良く聞いてみたいのだ」
などとおっしゃって、旦那様のお許しをいただいて、領内を回られることになった。
名君になられるだろう。

ただ、マーガレット様が、一緒に行くとおっしゃってるのが気にかかる。
お姫様が、旅についていって、耐えられるのだろうか。

××月××日(曇りのち雨)

マーガレット様ついに泣き出される。
リボンと一緒にバロン様に泣きつかれる。
「いつでも一緒と、おっしゃいましたわ。
いつか、子どもができましたら、一緒に行くなんて無理ですもの。
今しかございませんわ。
わたくしは、貴方の妻ですのよ。
やがては貴方が統治される領地のことを何も知らないなんて、
そんな恥ずかしい女になりたくありませんわ。」
「バロン様~、マーガレット様の言うとおり~。一緒に行かねば、夫婦っていえね~
べサ」

こんな感じの会話が交わされて、バロン様も弱っていらした。
お姫様の旅行となれば大がかりになるのだから、無駄な出費は抑えねばと申し上げる
と、「それは、もちろん身分をかくして参りましょう」とマーガレット様。
バロン様は渋々お忍びで行くことにされた。

お供は私、リボンの二人。そして、バロン様とマーガレット様。
マーガレット様が女主人で、それに付き従う侍女リボンと、執事と、家庭教師兼ボ
ディーガードというのがバロン様の変装。
イライザの怒ること怒ること!
だが、これ以上人数が増えても、馬車に乗り切れないだろう。

明日は準備だ。

××月×××日(雨のち曇り)

最初の晩に起こったこと。
荷馬車の方から、マーガレット様の衣装箱をおろして、宿屋に入ろうとしたとき、
もちろん、私とバロン様しか男はいないわけだから、二人でその衣装箱を持ち上げた。
いや、持ち上げようとしたが、持ち上がらなかった。ほんの一日馬車に乗っていたぐらいで、こんなにも持ち上がらなくなったかと、自分が不甲斐なくなるところだった。
が、中に入っていたのはイライザだった。
おお、イライザの執念。

「おお、痛い!ここを開けてください!」
何で声がするのか、本当に驚いた。
マーガレット様に「イライザの声よ」といわれるまで、気がつかなかった。
出てきたイライザは、腰を一生懸命に伸ばして
「リボンなどに、マーガレット様のお世話などできませんわ」だ。
いや、しかし、一日中衣装箱の中に入っていたのは天晴れだ。
バロン様も、大笑いなされて、とうとう、一緒に行かれることをお許しになってしまった。
そこまでは、私も笑っていられたが、
「グローブ、イライザと夫婦と言うことにしておこう。いいな」
『いいな』、といっても、いわれても、、、、、。
私にはちゃんと妻がいたんですから。
イライザは、一緒に行けることに有頂天になってる。
先が思いやられる。

××月××日(二日目)(快晴)

昨日のどんよりした曇り空から一転して快晴。
皆様、すこぶるご機嫌が麗しい。
私のみ、いささかの動揺を隠しつつ、二日目の行程に入る。
昼食の時のこと。
やはり、野外での食事というものはとても、食欲をそそるものらしい。
リボンはこういうときに重宝する。
田舎暮らしのせいか一人で、さっさと準備をして火をおこし、
干し肉をあぶってお出しする。バロン様もご満足のようだった。

さて、午後になり、出発しようとしたとき、ひと騒動持ち上がった。
行き先を変更しようと言い出されたバロン様。
すぐさま賛成なさるマーガレット様。
このあたりの地理に不案内なリボンやイライザに意見があろう筈もなく、私は一人反対を唱えてみたものの、「この旅の目的は領内の視察であるのだから、地方に行かなくてどうするんだ」の一言で、決定。
さびれた、この町に投宿することになった。
町といっても、宿屋があるわけでもない。
幸いなことに領主の顔を知っているような者もまったくいないようだ。
お忍びの旅というのも気を使うもの。
なんとか庄屋の家に一晩宿を借りたが、それにしても庄屋の家でさえ客をもてなす蓄えもないという始末。一体どうしたことだろう。

バロン様がこのまま、見過ごす筈はない。
明日も、何かが起こりそうだ。

××月×××日(晴れ)
やはり、バロン様はおっしゃった。
「この村はおかしいな」
予想通り、バロン様の好奇心が働き始めたようだ。
庄屋の主人に話を聞くと、何でも近くの森に盗賊が住んでいて、領主に税を納めるほかに、この盗賊にも金品を納めないと、生活が保障されないということだった。
「なんだって、それはすぐになんとかしなければ」

ああ、もう、そんな展開になるなんて、、、。
これが、バロン様だけなら、いいのだが、もちろんマーガレット様も、「それは大変なことですわ」
イライザは「何とかしないといけません」と答え、
リボン「んだ、こいつを許しちゃなんねえ」
というわけで、みんなで作戦を考えることになってしまった。

だいたい、お城から二日しか離れていないこんな場所で盗賊が大きな顔をしているなんて、おかしな事ではないか。

今日の私は混乱しています。


××月×××+7日

やっと、落ち着いて日記を書ける。
まあ、この一週間の間にあった出来事といったら。

盗賊退治に乗り気になったご一行は、わざわざマーガレット様とリボンに
人質になっていただくことになった。
マーガレット様は「私、護身術なら身につけております。」
バロン様「心配だ~。」
リボン「じゃ、私も」
イライザ「私も」
私「3人はいくらなんでも」

というわけで、馬車に乗って山賊のいるあたりに行き、二人を置いてしばらく身をひそめていた。
二人は「あれー」とか、「きゃあ」とかわざとらしい声を上げて山賊の元へ連れて行かれた。
馬車には細工をして置いたので我々は道を辿って隠れ家に。

本当に掘っ建て小屋に二人はいた。一応ロープで縛られていた。
山賊1「可愛いなあ」
山賊2「本当に可愛いなあ」
親分、「手出すんじゃないぞ。上玉だ。高い値で売れる。」

バロン様「何だとー。」
イライザ「まあまあ、今は静かに。」


マーガレット様「あーあ、なんだか、喉がかわいちゃった。」
         「お水くださらない?」
リボン「お嬢様。私は、手がロープでふさがってて、お世話できないです。」
マーガレット様「そうよね、そこのお優しそうなお兄さん」
山賊1「お、おれか?」
マーガレットにっこり。「ええ、お水を持ってきてくださらない?」
山賊1「お、親分?」
親分「ま、いいだろ」
山賊1ドアをでる。途端に、バロン様の餌食になる。

なかなか戻ってこないのを見て、親分が、おい、ちょっと様子を見てこいと山賊2に言う。
山賊2「おーい、ニコル?」ドアを出るとまた、バロン様の手に掛かる。我々は二人を縛り上げた。

親分おかしいことを感じて、さすがに、剣をもってドアに近づいて、いきなりどんと出ていった。
バロン様も予想していたので、そんなにダメージを受けずに、1対1の対決だ。


バロン様の頑張っている間に、私は、マーガレット様とリボンを救いだす。
たぶん私の見ていないうちに、バロン様の華麗な剣さばきで、山賊は倒されて、縛られていた。

バロン様は、山賊達に聞かれました。
「どうして、このあたりの人を襲うのだ」
山賊親分「このあたりには自警団もなく、襲いやすかったからだ。おいら達も好きで人さらいなんかしちゃいない。元々いた、自分の土地を追い出されたんだ。食い詰めもんのなれの果てさ」
バロン様「では、働く気はあるのだな?」
山賊1「働く仕事があれば、こんなやばい仕事しないって」
山賊2「親分の言うとおりに動いていただけで、親分がやめれば、おいら達だって、親分についていきます」
マーガレット様「バロン様、何とかしてさしあげることはできないの?」
イライザ「バロン様」
バロン様「まずは、きちんと罪を償ってからだな」
私「確かに、そうですね。では、手続きをして参りましょう。」
リボン「それで、そのあとは?
私「宮廷の庭師が、もう、年だから引退したいと、申しておりました」
バロン様大きく頷いて、「そうだったな」
リボン「んだ、そいつがいい」
山賊親分「ところで、そちらさまはどなたですか?

私「この国の領主様、バロン様だ」

山賊達、ひれ伏す。
というわけで、簡易裁判を村で行い、罪状を調べて、無報酬労働を何ヶ月か行ったあと、宮廷で雇うことになった、というわけです。

こうして、この事件は一件落着したわけです。

「世は全て事もなし」というわけには参らぬようです。

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この記事へのコメント

無幾庵
2006年12月04日 01:50
こちらでは、はじめまして
よろしくお願いします。

バロンご一行様の旅、おもしろいです。
大勢でぞろぞろ行くのも楽しいですね。
水戸黄門のご一行みたい。
グローブは、しずまれ~下がりおろう~の格さん役?
フィールド先生(特別出演)に弥七になってもらって、バロン様の危機にはシュバッと風車を飛ばしてもらいましょう。
seiya
2006年12月04日 19:56
ようこそ、おいでくださいました。
よろしく、お願いします。

「大勢でぞろぞろ」は確かに水戸黄門みたいですね。自分でも、書いていて思ってました。(笑)

そうそう、弥七は絶対必要です。
フィールド先生にもご登場、願わなくては!

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